中国版 Amazon Go ?無人店舗の未来。

Susumu Takahashi
qftech
Published in
7 min readJun 26, 2017

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たまに GSM の電波を浴びたいと思うことがあるので、東京から短時間(羽田から2時間強)かつ安価で行ける場所である上海に行ってみました。

GSM は感じたいが金盾は勘弁、ということで中國聯通香港(ChinaUnicom HK)の跨境王という SIM でネットサーフィンをしていたら、中国のスタートアップが開発した新しい無人店舗、BingoBox が上海にできたということを知り、早速見に行ってきました。あんまり IoT 関係無いですが、無線繋がり(IC タグを含む)ということで。

ちなみに、この無人店舗、運営しているスーパーマーケット(Auchan)の敷地内である駐車場の一角にあります。色んな意味で実験なんでしょうね。

店舗も9:00–21:00では営業してます。̚駐車場も含め、結構大型店です。

さて、入店と行きたいところですが、まずは最初の登録を。仕方無いとは分かりつつ、これはやっぱり面倒ですね…

店舗入口

店舗は普段、施錠されていて、中に入るためには WeChat を使います。
WeChat アプリで QR コードを読み取り、フォローするところから始まります。

フォロー→本人確認→携帯電話番号で認証の流れ

なお、本人確認に使える番号は中国の携帯番号限定かもしれません。通話可能な回線は実名登録されているので、それを持って本人確認しているという体なのでしょう。私は中国の回線として、8億人以上の契約者数を持つ、世界最大のキャリアである中国移动の回線を持っているので、そちらを使いました。なお、電話番号出てますが、普段使っていないので大丈夫?です。

携帯電話番号を入力してワンタイムパスワード発行→SMS で届くパスワードを入力して次へ→登録完了の流れ

登録完了後に QR コードを読んで、入店です。(開錠されます)

一応、使い方の詳細付き。

店内は普通に明るくてキレイです。店舗の大きさもあり、商品数は限られていますが、様になるように一通りは揃っています。

レジは1つ。そもそも店内に大人数が同時に入ることは想定していないのでしょう。

さて、技術面の本質はというと…要するに、すべての商品に IC タグを貼っているという力業な解決でした。

1元(16円強)の品物にも IC タグを貼ってます。IC タグのコストどのくらいなんだろう。

ということで、オレンジジュースとチョコレート菓子を買います。NFC とデカデカと書いてあるジュースに IC タグが貼ってあるという、担当者これ絶対ネタで仕入れてるだろ、というチョイスです。なお、この NFC はボトルの記載によると Not From Concentrate の略だそうですよ。

使い方の詳細画面にも(缶のイラストが)ありましたが、立てろと言われると横にしたくなるのが人情です。なお、ちゃんと読み取ってます。

入店は WeChat でしたが、精算は Alipay も使えます。(オフィシャルのアプリ内課金・WeChat Pay・Alipay の三択)
せっかくなので Alipay で。記事は WeChat Pay についてですが、中国の決済を使えるようにするには過去投稿の「中国でグローバル向け SORACOM Air を使う、そして WeChat Payment (微信支付) を使うまでの道」をどうぞ。

本当にこの決済は便利です。リーダライタの機器コストも無いですしね。

買い物が終わったら退店しましょう。

QR コードを読んで退店という流れです。万一の時の非常ボタンもあります。友連れで入って出られなくなるといった珍プレーとかもあるでしょうか。

中国にある劣化版 Amazon Go と言ってしまうのは多分見当違いで、これはこれで今ある手堅い技術を現実的なコストで組み上げたものに見えます。とにかく人はたくさんいる、という印象がある中国ではありますが、結構真面目に省力化を考えている感じです。むしろ日本で、コンビニすら撤退するような限界集落のようなところで役に立ちそうに素人目には移りました。

せっかくなので周囲を観察。

ん?この店舗、電気しか引き込まれていないように見えます。

どうも電気しか線が無いように見えます。

ということで、通信は LTE かもしれませんね!めでたしめでたし。(完)

おまけ)Youtube にコンセプトビデオがあるので参考に。

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